手足にできた小さい水ぶくれ・皮むけの正体は「汗疱」かも!原因と対策とは?

季節の変わり目や夏場など、ふと手の指や手の平、足の指や足の裏をみると、小さな白い水ぶくれができ、皮がブヨブヨとふやけ、むけたり、めくれあがっていたことはないでしょうか?

あなたがもしこの症状で悩んでいる場合、その原因は「汗」による可能性が高いです。
また、あなたのお子さんが上記の症状が出ている場合、「多汗症」という汗の異常発汗をしてしまう疾患をお持ちの可能性があります。

ちなみに筆者は、幼少期から手汗・足汗がとても酷く、重度の多汗症です。
私が幼少期のころ、いきなりこの白い水ぶくれ&皮がめくれる症状が現れ、その皮膚の状態に驚いた両親が「何かの病気にかかったのでは!?」と急いで近所の皮膚科に連れて行ってくれたのを覚えています。
当時の皮膚科医より、皮が剝けた原因が「過度な汗の発汗量」ということで、重篤な病気ではないことに安心しましたが、そこで初めて私が異常発汗をする病気「多汗症」を発症しているということを知り、母はとてもビックリしたそうです。

今回は、手指や手の平、足指や足の裏にできる、小さな白い水ぶくれの正体とその原因、また有効な対策方法をご紹介いたします。

白い水ぶくれの正体とは?

あなたがもし手足の多汗症で悩んでいる、または手足の発汗量が人と比べて多いじゃないか…と悩んでいる場合、夏場の暑い時期などに突然現れるこの白い水ぶくれの正体は「汗疱(かんぽう)」と呼ばれる、汗の発汗に関係があるとされる皮膚疾患の可能性が非常に高いです。

汗疱(かんぽう)ってどんな病気?

手の平や足の裏に、数ミリ~大きなもので大豆程度の大きさの水疱が生じる病気です。
水疱とは、皮膚の下にできる水たまりのことを指します。初めは表皮内(皮膚の一番外側にある皮のこと)に小さな水疱が現れ、その後少しずつ大きくなって皮膚面に少し盛り上がり、その結果、ぷくっと水ぶくれが盛り上がっているのが確認できるようになります。
少し痒かったり、ピリピリとした痛みを感じることもありますが、特に痒みや痛みを感じないことも多いです。概ね数日~2,3週間程度で自然に吸収されるか、時には水疱が破れ皮がじゅくじゅくとなった後、皮がむけて湿疹になることもあります。

汗疱は季節の変わり目や、夏の暑い季節にできやすく、手足に汗をたくさんかきやすい「多汗症」の疾患を持つ患者に多いため、汗が原因といわれてきました。
しかし、汗腺やその導管とは関係がなく、水疱に溜まっている成分も汗の成分とは違っているため、汗の発汗に関係すると言われてはいますが、実際の発症原因は未だに解明されていないそうです。

水虫の可能性もあるため、まずは皮膚科を受診しましょう

汗疱とよく似た症状に「水虫」があります。
同じように皮むけや水疱ができるため、一概に「汗疱」であるとは素人判断はできません。汗疱と思ったのに水虫だった、またはその逆であった場合、せっかく有効な対応方法を試してみても効果が出ないどころか、逆効果となってしまうこともあります。このため、まだ病院を一度も受診されていない場合は、一度最寄りの皮膚科を受診しましょう。
また、あまり知られていないかもしれませんが、水虫は足だけでなく、手の平にも出来ることがあります。手の平でも水虫の可能性はありますので、皮膚科で一度調べてもらうことを強くオススメいたします。

汗疱にならないために!有効な対策とは?

ここからは、汗疱にならないために、筆者が実際に試して効果が高かった有効な対策方法をご紹介いたします。
汗疱と汗の関係性はいまだに解き明かされてはいませんが、重度の多汗症を患う筆者の経験上、汗の発汗量を抑える対策をすれば、汗疱の発症も抑えることができます。

<注意>
すでに汗疱を発症し、痒みや痛みが生じている場合は、皮膚科を受診し、適切な処置を受けてください。ここでは、汗疱の発症を繰り返さないために、予防法として有効な汗の発汗を抑える対策方法をご紹介いたします。

塩化アルミニウム液を使った制汗対策

まず1番に試して頂きたい方法が、塩化アルミニウム液を使った制汗対策です。
塩化アルミニウムを溶かした水溶液を手の平に十分に塗り込むことで、汗の出口(汗腺)にフタをし、汗自体が出てこないようにする方法です。

塩化アルミニウム液は制汗作用がとても強く、「多汗症」の治療において、第一選択肢とされるほど、その制汗効果が高いと評価されている薬剤です。

この塩化アルミニウム液は、近くの薬局やドラッグストアではまず手に入りません。
通常は汗の疾患を診てくれる専門病院でないと処方されないことが多いため、汗の疾患を診てくれる専門病院への受診をするか、またはネット通販でも買える塩化アルミニウム液配合薬を見つけましたので、下記の商品を試してみてください。

【日邦薬品】オドレミン 25ml塩化アルミニウム濃度:13%
25ml:1,000円
日本国内で販売されている市販薬の中では、塩化アルミニウム濃度が最も高い商品。ビンをよくふってから、汗のかきやすい部分に適量を指先で塗布して下さい。
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デトランスα  ワキ用/手足用塩化アルミニウム濃度:20%
25ml:初回2900円
医療先進国デンマーク発の制汗剤。
塩化アルミニウム濃度は20%と高く、海外製品のため日本の薬事法での規定値を超える高配合。販売実績75万個、多くの汗の悩みを抱える人々に支持されています。
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※ネット通販専用商品

塩化アルミニウム液は、一般的に濃度が高い方が制汗効果が高いのですが、その分肌への負担や刺激も強いため、肌荒れやかゆみが生じることが懸念されます。
このため、初めて塩化アルミニウム液を使用する場合は、濃度の低いオドレミンから使用をするか、濃度の高いデトランスαの場合は少量ずつ様子を見ながらの使用をオススメします。

また塩化アルミニウム液は、汗が出てくる患部に直接塗り込み、汗の出口(汗腺)にフタを作って、汗が出てこないようにする治療方法です。
この汗の出口にフタを作る期間は個人差がありますが、数日~1週間程度は継続利用をしないとフタがきちんとされず、手汗・足汗の効果が感じられません。
このため、塩化アルミニウム液を入手後、すぐに使用して手汗に対し即効性がある方法ではなく、少なくとも数日間使い続けることが必要になります。
少し根気がいる方法ではありますが、一度汗が止まるまでは、必ず根気強く使い続けてください。

個人的な見解にはなりますが、塩化アルミニウム濃度20%レベルの商品を使えば、他の手汗対策グッズとは比べ物にならないぐらいの高い制汗効果があります。
筆者の個人的な見解にはなりますが、ご自身の手汗のレベルが、日常生活で支障が出るレベル(常に手汗で頭を悩ませているレベル)の方は、塩化アルミニウム液の使用以外では、手汗に関しての制汗効果は感じにくいと思います。(※ETS手術は除く)

塩化アルミニウム液の効果的な使用方法はこちらの記事を参考にしてください。
酷い手汗に悩んでいる方はぜひこの治療方法を試してみることをオススメします。

局所性多汗症の有効な治療方法のひとつに、「塩化アルミニウム液」という外用薬での治療があります。専門病院を受診した場合にも、多汗症治療の第一選択肢...

手汗対策用クリーム『TESARAN(テサラン)』の使用

日常生活で支障がでる重度の手汗レベル(常に手の平から手汗が出ているようなレベル)の場合は、上述した塩化アルミニウム液配合の商品でないと、まず手汗を止めることはできません。
しかし、肌が弱かったり、敏感肌で塩化アルミニウム液を使うことができないような場合は、手汗対策用クリーム「TESARAN(テサラン)」の使用はオススメができます。

テサラン(TESARAN)は手汗に特化した制汗クリームです。近年では手汗対策クリームとして、ネットで話題になっています。肌に優しい成分で作られているため、肌が元々弱い方や、小さなお子さんでも安心して使える商品です。

テサランの制汗効果などの詳細は、こちらの記事を参考にしてください。

手汗用の制汗クリームとして、近年ネットで評判が高い商品といえば「テサラン(TESARAN)」が有名かと思います。 ネットでは割と良...

汗と上手に付き合って、汗疱の再発を防止しよう

汗疱はどうしても再発しやすい病気です。また、汗の発汗をコントロールすることもとても難しく、毎年夏が来るたびに「また水ぶくれが出来てる!?」となることは少なくありません。
しかし、上記のような有効な手汗・足汗対策を行うことで、汗疱の再発を防止することは可能です。汗の発汗をコントロールするためには、塩化アルミニウムを定期的に使用する等、少し根気のいる方法かもしれませんが、手汗・足汗と上手に付き合うことができれば、今あなたが抱えているストレスは大きく減らすことができるのではないでしょうか。

私の実践している汗対策が、同じように手汗で悩んでいる方の助けになれば幸いです。

 

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