女性はパンプスやヒールを履く機会も多く、ファッションやオシャレの一環で取り入れる場合や、仕事上、どうしてもパンプスやヒールを履かないといけない立場にいる人も多いかと思います。
しかし、もしあなたが足汗で悩んでいる場合、こんな悩みを抱えてはいないでしょうか?
- 足汗が酷く、パンプス内が蒸れてしまい、とても気持ちが悪い
- 足汗が酷いため、高いヒールは底が滑ってしまい歩きづらい
- 足汗が酷く、また足のニオイもとても気になる
足汗や足の裏のニオイで悩む人は意外と多く、周囲の人に相談しづらい内容のため、人知れず上記のような悩みを抱えている人は少なくありません。
筆者は、幼少期より酷い手汗・足汗を発汗してしまう、局所性多汗症を患っています。
これまで数多くの場面において、手汗や足汗が原因で生活に困ったり、恥ずかしい思いを沢山してきました。
しかし、生まれながらの手汗・足汗持ちだからこそ、効果的な汗対策や、生活のちょっとした工夫や知恵で、今では上手に手汗と付き合っていけるまでになりました。
今回は、足汗が出てしまう主な原因や、足汗が酷く悩んでいる方でも、パンプスやヒールを少しでも快適に履くためにはどのような方法があるのか?また本当に効果のある足汗対策方法とは?という内容を、筆者のリアルな実体験も交えつつ、ご紹介したいと思います。
目次
足汗が出てしまう4つの原因とは?
足の裏は、背中や腕などの他の部位に比べ、汗が出る腺(汗腺)が密集している部位のため、もともと汗をかきやすい場所のひとつです。
通常の範囲でも、1日当たりコップ1杯ほど(約200cc)の汗が発汗される場所であり、ちょっとした温度の変化や、緊張や興奮などの精神的なものによっても、大量の汗をかきやすくなってしまう部位でもあります。
足汗が多く出てしまう原因としては、主に以下の4つの原因があると言われています。
- 多汗症を発症している
- 緊張や不安による精神性発汗
- 足裏のムレ、不衛生からくる発汗
- 冷え性からくる発汗
それでは1つづつ、詳しい原因を見ていきましょう。
①多汗症を発症している
まず疑われるのは、酷い足汗の原因が多汗症という汗の病気を発症をしていることです。
例えば、日常生活において、足汗によりこんな困ったことを経験されたことはないでしょうか?
- 靴下やタイツがしっとり湿るほど、足汗をかくことがある。
- 素足でフローリングを歩くと、足汗で足跡がくっきり残ることがある。
- 高いヒールの靴は、靴底が滑ってしまい、うまく歩けない。
- 足の裏がよく蒸れてしまい、足のニオイが気になる
上記の項目に一つでも当てはまるものがある場合は、「足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)」という、汗の異常発汗をしてしまう病気の可能性が非常に高いです。
多汗症かも?と思われた場合は、下記の記事から多汗症かどうかセルフチェックが行えますので、ご確認ください。
もしあなたの足汗の原因が多汗症であった場合、適切な治療を行わない限り、症状の改善は見込めませんので、専門病院での受診をはじめ、後述する治療方法を確認し、あなたにあった改善方法を見つけていきましょう。
多汗症の症状に該当しない場合は、下記の原因を確認していきましょう。
②緊張や不安による精神性発汗
主に緊張した時や興奮した時、またストレスがかかったり、何か不安に思うことがある場合に足裏から異常な発汗をしてしまう場合は、精神性発汗が疑われます。
精神性発汗とは、緊張や不安、興奮など精神的なストレスが原因で発汗する汗のことを言います。体温を調節するために汗をかくのとは異なり、体の全身からの発汗ではなく、主に手の平や足の裏、ワキの下などの限定された部分のみから、短時間に大量の汗を発汗してしまう、という特徴を持っています。
例えば、
- 大勢の人前で話をするとき
- 重要な面接を受けるとき、またはプレゼンをするとき
- 好意を持っている異性にアプローチをするとき
このような状況時に、足裏から多量の汗が発汗してしまうような場合は、精神性発汗であると言えるでしょう。
不安や緊張状態に陥ると、自律神経の一つである「交感神経」がとても過敏に反応し、その結果、足裏等から大量の汗が発汗してしまうと言われています。
歩きづらい靴は、精神性発汗を引き起こす?
足汗と靴に関して言うと、ヒールが高かったり、履きなれてないパンプスを履くときも、この精神性発汗が起きるケースがあります。
ヒールが高かったり、履きなれてないパンプスは、大抵の場合、「歩きづらい」と感じられるはずです。しかし、ファッションやオシャレの一環として、または仕事上仕方なくという理由等から、「歩きづらい」靴を着用する人は多いと思います。
その結果どうなるかというと、歩きづらい靴で歩かないといけなくなるため、意識的・無意識的にかかわらず、「歩くことに緊張する」ようになります。その結果、足裏からいつもより多くの足汗が出てきてしまう…という、負のスパイラルに陥ることになるのです。
つまり、歩きづらい靴を履くこと自体が、足汗を増加させている一つの原因となっています。
③足裏のムレ、不衛生からくる発汗
靴や靴下を1日中履きっぱなしという場合、靴や靴下の中がムレ、熱が発散されずに籠ってしまうことにより、体温を下げるために余計に足裏から汗が発汗してしまう、という悪循環に陥ることがあります。また冬場は気温が低いため、一度汗で湿った靴底や靴下、タイツ等はなかなか乾かず、ジメジメした不衛生な状態が続くことで、さらに足汗の発汗量が多くなってしまう…という事態に陥ることも。
また、こうした不衛生な環境に足裏をさらしてしまうことで、雑菌の繁殖が進み、足裏の発汗を促すだけでなく、足裏の嫌なニオイの原因にもなっています。
④冷え性からくる発汗
冷え性の場合も、足汗が多くでてしまう原因のひとつと考えられます。
多汗症のセルフチェックにはあまり当てはまらず、秋~冬に特に足汗の悩みを抱える場合は、冷え性からくる発汗の可能性があります。
冷えからくる発汗を簡単に説明すると、
①足先が冷えてしまうことにより脳が体温をあげろ!という指令を出します
②その結果、足裏に多くの血液を送ります
③足裏に急激に血液が集まり、突然の発熱を感知します
④足裏自体は汗をかいて体温を冷まそうという逆の働きが起きます
このようにして、足先が冷えることで発汗の原因を作ってしまうので、冷えからくる発汗を改善するには、足先を普段から冷やさないことが重要です。
足汗が酷くても、ヒールやパンプスを快適に履く方法
自分のお気に入りのパンプスで出かけたり、思いっきりオシャレを楽しみたい!と思うのは自然なことです。
しかし、いつもネックになる問題は、酷い足汗です。
筆者は幼少期より重度の手汗・足汗の多汗症を患っています。
そこで、今までにパンプスやヒールを履く際に実践し「これは有効だ!」と感じた足汗対策をご紹介いたします。
まずヒールやパンプスを履く際の足汗対策は大きく分けて、以下の3つに分けられます。
- 靴を履いている最中に出てきてしまった足汗の不快感を軽減する対策
- 足汗自体を抑える対策
多汗症を患う方は①だけでなく、②の対策も積極的に行いましょう。
①足汗の不快感を軽減する対策
フットカバー(インナーソックス)の着用
パンプスやヒールを履く際に、必ず筆者が行う対策としては、フットカバー(インナーソックス)を着用することです。
フットカバー(インナーソックス)とは、すでにご存知の方も多いと思いますが、以下の画像のような、履き口が広く、また甲の部分が広くあいている薄手の靴下のことです。
フットカバーを着用してパンプスを履くと、パンプスの中にすっぽりと収まるため、外からはフットカバーがほとんど見えない仕様になっています。
ストッキングでは汗の吸汗性はほとんどありませんが、フットカバーを着用すれば足裏全体の汗を吸汗してくれるため、足汗のせいで靴底が滑り歩きづらい…という悩みを解消することができます。
私は吸汗性を重視するため、必ず綿100%のものを選んで購入しています。
また、少々値段は高くなりますが、5本指のフットカバー(インナーソックス)も販売されているため、夏場のとても暑い時期や、長時間パンプスを着用しないといけないような場合は、5本指のフットカバー(インナーソックス)を必ず着用するようにしています。
また、長時間パンプスを履かなければならないような場合は、替えのフットカバーを持参し、トイレに入るタイミング等で、こまめにフットカバーを取り換えていました。
少し面倒かもしれませんが、こまめに交換するこで、足裏の衛生状態を清潔にキープすることができ、汗が籠ることで発生する、足裏の嫌なニオイ発生防止に大いに効果があるといえます。
吸汗性のあるインソール(中敷き)を入れる
次にオススメしたいのは、吸汗性のあるインソール(中敷き)を入れることです。
インソール(中敷き)自体は色んなタイプのものが売っていますが、中でも私のおススメは使い捨てタイプです。
実際に私が愛用しているインソールをご紹介いたします。
アシート ソフト(B)タイプ 23cm 女性用 25足入 価格:1,674 円アシートは取り替えタイプの紙製中敷。 「ソフトタイプ」は毎日の交換で、足もとを清潔で快適に保ちます。 <主な特長> ●脱臭:クリスライトで強力脱臭 ●吸汗:紙の吸湿性がムレを防止 |
上記のような使い捨てのインソール(中敷き)は、酷い足汗に悩む人にとってはとてもピッタリの商品です。
パンプスの靴底に足汗がしみ込んでしまうと、スニーカーとは異なり、気軽に洗ったりすることもできないものが多いと思いますが、このような使い捨てインソールの場合は、毎日インソールを取り換えることができるため、とても清潔にパンプスを履き続けることができます。
また、値段もそこまで高くないため、25足入りを購入すれば、約1か月は清潔な靴底の環境を整えることが出来るでしょう。
以上のように、『フットカバー+インソールのダブル使い』を行うことで、ヒールやパンプスを履いている最中に出てきてしまった足汗の不快感は、大きく減らすことが可能かと思います。
②足汗自体を抑える対策
塩化アルミニウム液の使用
まず1番に試して頂きたい方法が、塩化アルミニウム液を使った制汗対策です。
塩化アルミニウムを溶かした水溶液を足の裏に十分に塗り込むことで、汗の出口(汗腺)にフタをし、汗自体が出てこないようにする方法です。
塩化アルミニウム液は制汗作用がとても強く、「多汗症」の治療において、第一選択肢とされるほど、その制汗効果が高いと評価されている薬剤です。
この塩化アルミニウム液は、近くの薬局やドラッグストアではまず手に入りません。
通常は汗の疾患を診てくれる専門病院でないと処方されないことが多いため、汗の疾患を診てくれる専門病院への受診をするか、またはネット通販でも買える塩化アルミニウム液配合薬を見つけましたので、下記の商品を試してみてください。
【日邦薬品】オドレミン 25ml塩化アルミニウム濃度:13% 25ml:1,000円 日本国内で販売されている市販薬の中では、塩化アルミニウム濃度が最も高い商品。ビンをよくふってから、汗のかきやすい部分に適量を指先で塗布して下さい。 |
デトランスα ワキ用/手足用塩化アルミニウム濃度:20% 25ml:初回2900円 医療先進国デンマーク発の制汗剤。 塩化アルミニウム濃度は20%と高く、海外製品のため日本の薬事法での規定値を超える高配合。販売実績75万個、多くの汗の悩みを抱える人々に支持されています。 ※ネット通販専用商品 |
塩化アルミニウム液は、一般的に濃度が高い方が制汗効果が高いのですが、その分肌への負担や刺激も強いため、肌荒れやかゆみが生じることが懸念されます。
このため、初めて塩化アルミニウム液を使用する場合は、濃度の低いオドレミンから使用をするか、濃度の高いデトランスαの場合は少量ずつ様子を見ながらの使用をオススメします。
また塩化アルミニウム液は、汗が出てくる患部に直接塗り込み、汗の出口(汗腺)にフタを作って、汗が出てこないようにする治療方法です。
この汗の出口にフタを作る期間は個人差がありますが、数日~1週間程度は継続利用をしないとフタがきちんとされず、足汗の効果が感じられません。
このため、塩化アルミニウム液を入手後、すぐに使用して足汗に対し即効性がある方法ではなく、少なくとも数日間使い続けることが必要になります。
少し根気がいる方法ではありますが、一度汗が止まるまでは、必ず根気強く使い続けてください。
個人的な見解にはなりますが、塩化アルミニウム濃度20%レベルの商品を使えば、他の足汗対策グッズとは比べ物にならないぐらいの高い制汗効果があります。
筆者の個人的な見解にはなりますが、ご自身の足汗のレベルが、日常生活で支障が出るレベル(常に足汗で頭を悩ませているレベル)の方は、塩化アルミニウム液の使用以外では、足汗に関しての制汗効果は感じにくいと思います。
塩化アルミニウム液の効果的な使用方法はこちらの記事を参考にしてください。
酷い手汗に悩んでいる方はぜひこの治療方法を試してみることをオススメします。
プロバンサイン(内服薬)の使用
プロバンサインとは、自律神経の交感神経の作用を弱める薬で、「汗をかけ」と指令を出している交感神経の情報伝達をカットする効果をもたらす内服薬です。
この薬は日本で唯一多汗症の薬として認可が下りており、保険診療内で購入が可能なため、自己負担3割で購入が可能な内服薬です。
病院によっては処方されにくいこともあるようなので、汗の疾患を診てくれる病院にかかると良いでしょう。
残念ながら、服用すれば誰でも汗がピタッと止まるわけではなく、効果については個人差があります。効果が高い場合は、服用後1時間~5時間程度汗が抑えられますが、効果をほとんど感じられないという人もいるようです。
(ちなみに筆者は、残念ながら全く効果を感じられませんでした)
プロバンサイン服用の注意点としては、足裏だけでなく、全身の発汗が止まる薬のため、夏場などは体温調節のための発汗も止まってしまい、熱中症に陥るリスクが高まります。
また、その他にも口の渇きや眠気、便秘などの副作用がでる可能性もありますので、服用の際は医師から十分に説明を受けた上で、服用するようにしましょう。
足汗対策を実践するあなたに
筆者をはじめ、多くの人が足汗で悩んでいます。
足汗の悩みというのは「人前で靴を脱ぐことができない」「足汗がバレて、嫌われてしまったらどうしよう..」といったように、心理的なダメージも非常に大きいはずです。
筆者の私自身も酷い手汗や足汗にとても悩みました。
しかし、自分の体質と向き合って、適切な治療法や、ちょっとした生活の工夫や知恵を実践していくことで、今では足汗とも上手に付き合うことができ、前向きに物事を考えることができるようになりました。
この記事が、足汗で悩む多くの人の助けになれば幸いです。