汗が出るメカニズム – 汗の役割と3つの発汗要因 –

「なぜ汗がこんなにも出てしまうのか…」

手汗・足汗で小さなころから多汗症について悩んでいた私にとって、汗は本当に嫌いな生理現象のひとつでした。
暑くもないし、激しい運動をしたわけでもないのに、滝のように手足から汗が噴き出す毎日。
本当にうんざりしていたものです。

そんな大嫌いな「汗」ですが、そもそもなぜ「汗」が出るのでしょうか?
本記事では、基本的な汗のメカニズムについて詳しく調べてみました。

多汗症で悩む方が、汗を改善するために、まずは知っておくべき「汗」の基礎知識をご説明します。

「汗」って一体何?

まず最初に、汗の定義から説明すると、

汗(あせ)とは、哺乳類が皮膚の汗腺から分泌する液体のこと です。

ここで出てくる大事なキーワードは①哺乳類と②汗腺です。

①哺乳類とは、お母さんの母体で成長し出産、その後母乳で育てられる動物のことを指します。哺乳類の特徴として、暑さ・寒さなどの周囲の環境に関わらず、常に一定の体温を維持する「恒温動物」がほとんどです。

私たち人間は、母親の体内から生まれてくる哺乳類であり、
また人間の体温は平均35~37度に常に保たれている「恒温動物」にあたります。

②汗腺とは、皮膚の下にある汗を出すための腺のことで、人間の体には約200万~500万個もの汗腺があると言われています。
全ての汗腺から汗が出るわけではありませんが、私たちの体にはたくさんの汗を出す腺が存在しているのです。

「汗」は、人間のような、哺乳類であり恒温動物である私たちにしか出ることのない現象なのです。

「汗」の役割

哺乳類しか汗が出ないのはわかりました。
では、「汗」はなぜ出る必要があるのでしょうか。

その理由は、汗は体温調節に欠かせない機能であるからです。

個人差もありますが、ヒトの体温は35度~37度前後に保たれおり、この体温は体内の細胞や器官が、もっとも効率良く機能する温度です。
体温が大きく変動すると、体の機能が正常ではなくなり、命の危機にさらされます。
特に体温が40度以上に上がってしまった場合、脳は熱に弱いため、ほとんど機能出来なくなってしまうのです。
そんな危機的状況にならないように、私たち人間は汗をかきます。
汗は蒸発するときに、皮膚から熱を奪っていき、体温を一定に保っているのです。

ちなみに、他の哺乳類はどうでしょうか。
身近な哺乳類でいうと、犬や猫は人間と同じように汗をかいているのでしょうか?
答えは「NO」です。
ほとんどの哺乳類で発汗自体は認められますが、発汗を主に体温調節の目的で行っているのはヒトやウマのみで、他の哺乳類は体温調節自体は別の機能で補っています。
例えば犬は、舌を「ハァハァ」させて体温調節を行っています。猫の場合は、舌で毛づくろいをする際に唾液を蒸発させて体温調節を行っています。

仮に人間から体温調節の要である汗を取り除いてしまうと、犬や猫、その他の動物のように発汗以外で体温調節をしなければならなくなり、現代のヒトとしての日常生活を送ることは不可能なのです。

多汗症である筆者にとって、「汗」は忌み嫌うべきものでした。
「なぜこんなに汗が出るのか」と本当にイライラしていただけでしたが、汗のメカニズムや役割を改めて理解すると、「汗」は体温調節を効率的に行い、現代のようなヒトとしての生活を快適に送るために進化した、優れた機能だったのです

汗をかく3つの要因

汗とは何か、汗の役割という根本的なメカニズムが分かったところで、次に日常生活で私たちが汗をかく3つの要因について説明していきます。

温熱性発汗

必要以上に上昇した体温を下げるために発汗する汗のこと。
気温が暑いときや、激しい運動を行ったときに、全身から持続的に発汗する汗のこと。
ただし、温熱性発汗の汗は手のひらや足の裏からは発汗されない。

精神性発汗

緊張・興奮することによって発汗する汗のこと。
大勢の人前に出て緊張したり、重要な会議や試験で緊張したり、またはホラー映画をみたりスポーツ観戦をしてドキドキした時に、発汗する汗のこと。
汗が出る部位は主に手の平や足の裏、ワキの下などの限定された部分のみで、短時間に発汗する。

味覚性発汗

カレーなどの香辛料が効いた辛い食べ物を食べた時に、反射的に起こる発汗のこと。
特に額や鼻などから発汗するが、基本的には食べ終わると汗も引く。
発汗することで、肝機能の働きを助ける効果があるとされている。

多汗症の私が思うこと

手汗・足汗で悩む多汗症はこの3つの要因でいうと、精神性発汗にあたります。
何かしらの緊張・興奮がきっかけで、ドバっと汗が流れ出てしまう傾向にあり、手汗・足汗の多汗症を患う人は、この緊張・興奮のハードルが、きっと他の人よりもずいぶんと低いのだと思います。言い換えると、何かに没頭・集中するだけで、脳が勝手に「緊張・興奮状態」だと誤認してしまうのではないかと思います。

例1)普通にゲームでプレイするだけでも(特段興奮するような内容でない場合も含め)、意識がゲームに向かう=興奮、と脳が認識することで手汗がドバっと出てくる。

例2)スマホでメッセージを入力する際も、意識は全然平常心にも関わらず、小さな画面に集中して指を動かす=緊張or興奮と脳が認識=手汗がドバっと出てくる。

また、いったん手汗・足汗が出始めると、なかなか止まってくれないのも悩みの種。
汗を止めたい、どうにかしたい、と思えば思うほど、精神的な指令が脳に出続けることになるため、汗が出続けてしまうという負のスパイラルに陥ってしまうのだと思います。

個人的には「汗」は大嫌いですが、私たち人間になくてはならない存在でもある「汗」。
なぜ汗が出るのかという根本的な理由を理解した上で、多汗症の体質と上手に付き合っていく方法を見つけていきましょう。

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