あなたの多汗症対策は本当に正しい?間違ったセルフケアに要注意

酷い手汗や足汗、腋(わき)汗を何とかして止めることは出来ないかしら…?
どうにかして汗を減らし、今の症状よりマシな状態にしたい!

このような想いから、多汗症を患う方は今まで様々な汗対策をしてきたのではないでしょうか?
長年酷い手汗や足汗で悩む筆者も、薬局の汗対策コーナーの新商品、人気商品を試してみたり。
リラックス効果の高いアロマを焚いてみたりと、今まで色々と自分なりの汗対策を行ってきました。

しかし、こうしたセルフケアは本当に効果があるのでしょうか…?
少しでも汗を減らしたい!との思いで行っているセルフケアですが、実は全く多汗症ケアとして意味を成してなかったり、さらには逆効果になってしまっているケースがあるのです。

そこで今回は、多汗症ケアでありがちな、実は間違っているセルフケア方法をご紹介していきます。

デオドラント用品の誤った認識

スーパーやドラッグストアなどに行くと、大量に並んでいる「デオドラント用品」。
一般的には「デオドラント用品=汗対策の商品」と認識されていると思いますが、あなたは商品を選ぶ際、きちんと効果や効能を理解しているでしょうか?

デオドラント用品は大きく分けると、「制汗剤(汗を抑える商品)」「デオドラント剤(汗のニオイに働く商品)」の2種類に分けられます。
これらの二つの商品は同じような場所に並んでしまうため、どれも似たような商品と受け止められがちですが、実は得られる働きが大きく異なります。

どのように効果が違うのか、確認していきましょう。

制汗剤の効果

制汗剤とはその名前の通り、汗を抑える効果が期待できる商品です。
制汗剤には、汗を抑える収斂(しゅうれん)作用の含まれた成分と、汗を吸収しベタつきを抑える成分が入っており、この2つの成分が働くことで、汗の量を抑える効果が期待できます。

香りつきの制汗剤もありますが、汗のニオイに働きかける効果は本来持ち合わせていません。
しかし、汗そのものを出にくくすることで、ニオイの元である雑菌の繁殖が抑えられることから、間接的に臭いを抑える効果も期待できます。

デオドラント剤の効果

デオドラント剤は、汗のニオイを抑える働きがある商品です。
汗のニオイの一番の原因は、雑菌の繁殖ということをご存知でしょうか?
特に腋(ワキ)や足の裏などは熱がこもりやすく汗もかきやすい部位のため、雑菌が好む高温多湿の状態を作り上げやすい場所のひとつです。
デオドラント剤には、雑菌の繁殖を防ぐ殺菌作用と、すでに発生してしまった臭いを抑える消臭作用があり、臭いの元を絶ち、汗の臭いを消す効果が期待できます。

しかし、制汗剤とは違い、デオドラント剤には汗を抑える効果はありません。

必ず成分や効果を確認してから購入を

このように、制汗剤とデオドラント剤は同じ「汗」に対する商品ではありますが、含まれる成分が全く異なるため、得られる効果も当然ですが異なってきます。

よく手汗や足汗の多汗症の方がセルフケアでやりがちなことは、ワキ用の汗対策用品を手の平、足の裏に試してみることが挙げられます。
ワキ汗の商品は、どちらかというとニオイ対策である「デオドラント剤」が多いため、汗の量を減らす目的で使用をしても、効果は期待できないでしょう。

手汗や足汗の症状を改善したい場合は、塩化アルミニウムクロルヒドロキシアルミニウムフェノールスルホン酸亜鉛が配合された制汗剤を選ぶと、汗が抑えられ、効果的です。

また最近は、「制汗剤+デオドラント剤」の2つの効果を合わせ持つタイプが多く販売されています。腋(ワキ)の多汗症に悩まれていて、ニオイも気になるという方は、このような商品を選ぶと効果的と言えるでしょう。

過剰な使い過ぎは要注意

また、汗を抑えたいという気持ちはよくわかりますが、制汗剤の使い過ぎには注意が必要です。
制汗剤を過剰に使用すると、肌への負担が増し、かぶれ、かゆみなどの肌トラブルの原因に繋がることがあります。
また近年では、肌をサラサラに保つパウダーが配合されているような商品も多いため、過剰に使うことにより、毛穴を塞いでしまい、酷い炎症が起きてしまうこともあります。

ご自身の肌の状態をよく観察したうえで、制汗剤と上手に付き合って行くことを心がけましょう。

余談:なぜ「デオドラント用品」は紛らわしいのか?

そもそもなぜ、汗対策関係の商品「デオドラント用品」は、こんなにも分かりずらいのでしょうか?
スーパーやドラッグストアでは、売り場は一緒にされていたり、どの商品にも「デオドラント」と書かれていたり、もっとわかりやすくなれば、そもそも間違ったり混乱なんてしないのに、と筆者自身が感じたため、余談にはなりますが、このデオドラント用品がわかりずらい理由を調べてみました。

例えば、頭を洗うことに関する商品は「洗髪料」と呼ばれますが、このカテゴリーの中には「シャンプー」や「ヘアリンス」が属しています。
「シャンプー」と「ヘアリンス」がどのような役割や効果があるかは何となくわかりますよね?シャンプーは主に頭皮を洗う役割を持ち、リンスは髪の表面のキューティクルを保護する効果を併せ持っています。

では、デオドラント用品に話を戻しますが、汗に関する商品を「デオドラント用品」または「デオドラント」と呼ぶことになった背景には、国が定めた「日本標準商品分類」という分類表が大きく影響していると言えます。
これは何かというと、市場において取引をされるすべての商品は、国が定めた分類表に沿い何らかのカテゴリー分け(分類分け)がされているのです。
上述したシャンプーやリンスも「日本標準商品分類」に基づき、「洗髪料」というカテゴリーに分けられています。

汗に関する商品は、上述した「制汗剤(汗を抑える商品)」と「デオドラント剤(汗のニオイに働く商品)」です。日本標準商品分類に基づくと「デオドラント用品」というカテゴリー(分類)に分けられるのですが、「デオドラント用品」というカテゴリー名(分類名)とその下に紐づく「デオドラント剤」の言葉が被っているため、非常にややこしいことになったのだと思います。


個人的には、汗に関する商品全体を指すカテゴリー名が「デオドラント用品」となっていることに、非常に違和感を持っています。理由としては、そもそもデオドラントの英語の意味は「体臭や汗の臭いを防いだり、取り除いたりする薬剤」となるので、汗に関する商品全体を指すカテゴリー名には適していないと感じます。
もっとわかりやすく「汗対策用品」とカテゴリー名を変えた方が、誤った認識をする人が減るのではないかと思います。
(参考:総務省日本標準商品分類 中分類88

誤った食事療法は返って多汗症を悪化させる

多汗症の症状を抑える一つの方法として、食生活の改善が挙げられます。
普段の食生活の中で、いわゆる「汗をかきやすい食べ物」の摂取を控えたり、「汗を抑えるのに効果がある食べ物」を取り入れたり、またバランスの良い食事を心がけるというのは、確かに多汗症を緩和させるには、とても良いことだと言えるでしょう。

しかし、汗を止めたいという一心から、極度に「汗をかきやすい食べ物」の摂取を制限したり、逆に「汗を抑えるのに効果がある食べ物」の過剰摂取をしていないでしょうか?

誤った食事療法は、返って多汗症を悪化させたり、その他の別の病気を引き起こす可能性があります。

汗をかきやすい食べ物とは?

汗をかきやすいと言われている代表的な食べ物は下記のものになります。

  • 辛いもの・酸っぱいものなどの刺激物
  • コーヒー・お茶などカフェインを多く含むもの
  • 肉類などのタンパク質や脂質
  • 脂肪、油分が多い食べ物

唐辛子の入った辛い食べ物や、スパイスが効いているカレーを食べると、汗が出てきてしまったという経験はあるのではないでしょうか。

このような汗の発汗を促すような食事は、もちろん摂取量を控えた方が多汗症の症状改善には繋がりますが、肉類などのタンパク質等、私たちの身体にとって必要な栄養素まで極度に制限してしまうことは、健康を損ねてしまう危険性があります。
また栄養の偏りは、自律神経やホルモンバランスを崩す大きな原因となり得るため、多汗症を悪化させてしまうことにもなりかねません。

またコーヒー等に含まれているカフェインについても、交感神経を刺激する成分のため、多汗症の方は控えた方が良いと言われる一方で、ストレス解消・リラックス効果もあると言われています。
多汗症の最大の敵はストレスとも言われており、リラックスをすることで過敏に働く交感神経を落ち着かせることが良いとも言われています。汗対策だからといって好きなコーヒーを無理に我慢することもまた、ストレスとなり結果的には汗対策にならないといった可能性があるのです。

汗を抑えるのに効果がある食べ物とは?

汗を抑えるのに効果的と言われている代表的な食べ物は下記のものになります。

  • 大豆製品(納豆・豆腐・味噌など)
  • ハーブティー

大豆製品に多く含まれるイソフラボンは、発汗を抑制する効果や、自律神経のバランスを整える働きがあり、「汗を抑えるのに効果的」と言われている食べ物です。
このため、大豆製品を積極的に取り入れている方も多いかと思いますが、イソフラボンの過剰摂取を続けていると、乳がんになるリスクが高くなるとも言われています。
イソフラボンの摂取と乳がんになるリスクについては、まだ研究段階のため、乳がんへのリスクが本当にあるのか、またはないのかという答えは出ていないようですが、どちらにせよ、過剰摂取は控えるべきとの見解が一般的のようです。

適度な摂取を心がけ、バランスの良い食生活を

多汗症の症状を抑える一つの方法として、食生活の改善は大変良い方法の一つではありますが、上記に挙げたような、「汗をかきやすい食べ物」を極度に避けたり、「汗を抑えるのに効果がある食べ物」を極端に過剰摂取をすることは、私たちの身体にとって良いことではありません。

どちらの食材も適度な摂取を心がけ、ストレスをあまり溜め込まず、バランスの良い食生活を送ることが、健康の基本なのです。

間違ったセルフケアをしないためには?

ここに挙げた内容以外にも、多汗症の症状を改善するべく、色々なセルフケアを行っている方は多くいらっしゃると思います。
しかし、本当にあなたが行っているセルフケアは、多汗症の症状を改善するものなのでしょうか?

間違ったケアをしない為には、まずは多汗症についてご自身で色々と調べてみることをオススメします。
多汗症について学んでいくうちに、自ずと効果的な治療方法や有効な対策がわかってくるはずです。

まずは多汗症について「正しく知る」ことから始めていきましょう。

 

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