多汗症は皮膚科ではなく専門病院をおすすめする理由

手の平や、足の裏、ワキ、顔面や頭部から、異常なほど汗が出てしまう。
病院に行きたいけど、いったい何科を受診したらいいのかよくわからない。
このように迷ってしまう人は、多くいらっしゃると思います。
筆者の私自身も、その悩みを抱えていた一人でした。

今回は、現在進行形で局所性多汗症(手汗&足汗)で悩んでいる筆者の実体験を交えつつ、局所性多汗症に適した病院の探し方をご説明したいと思います。

まずは局所性多汗症かどうかセルフチェックを

体の限定された特定の部位のみから、異常に汗が発汗している場合、局所性多汗症の疑いがあります。体の部位としては以下の4つの部位となり、

  • 手の平
  • 足の裏
  • 腋(ワキ)
  • 顔面や頭部

上記の4部位からのみ、明らかに異常な量の汗が発汗している場合は、ただの汗かきではなく、局所性多汗症の可能性があります。
まずは病院選びの前に、自分が局所性多汗症なのかどうか、セルフチェックを行いましょう。

セルフチェックに関してはこちらの記事より行えます。
ぜひ、参考にしてみてください。

あなたは日常生活に支障を来すほどの、異常な汗をかいてはいませんか? 手の平や足の裏、ワキ、頭部や顔面などから、明らかに他の人より異常だと思う量...

必ず専門病院への受診を

局所性多汗症であることが濃厚な場合、受診をするのは「多汗症」や「汗の疾患」「発汗異常」などの、汗に関する専門の診療科目がある皮膚科への受診をおすすめします。

多汗症について書かれているブログやサイトでは、まずは「皮膚科」への受診を進めているサイトが多いのですが、これでは情報不十分です。
確かに受診する科は「皮膚科」で間違いないのですが、街中にあるような一般的な皮膚科に受診をしても、適切な治療を受けることは困難だと言えます。

局所性多汗症は、今だにはっきりとした原因が解明されておらず、画期的な治療方法もいまだに確立されていない病気の一つです。
このため街中の一般的な皮膚科に受診をしても、「精神的な問題」として、日常生活に支障を来しているにも関わらず、具体的に治療をしてくれないケースがあります。

また、病院に受診しても何らかの治療を受けられた患者は10%以下に止まっており、一般的な皮膚科病院に行ったとしても、局所性多汗症患者に対する適切な治療は提供されていないと唱える専門医もいます。
(参考:藤本 智子 原発性局所多汗症の(手掌、足底、腋窩)本邦における疫学調査

実際に局所性多汗症に悩む筆者自身も、皮膚科を受診したにも関わらず、特に多汗症の症状緩和につながる治療を行ってもらえなかった経験があり、酷く落胆した記憶があります。
なぜ多汗症の専門病院ではない皮膚科では、適切な治療がされない可能性があるのでしょうか?

専門病院以外での多汗症診療をおすすめしない理由

詳しく調べたり、自身の経験から、専門病院以外での多汗症診療をおすすめしない3つの理由があると考えます。

医師が病気について正しく理解をしていない

異常発汗=精神的な問題、と解釈する医師が個人的には多いなという実感です。
確かに、緊張したり興奮した際に発汗が上昇する「精神性発汗」と呼ばれる発汗があるのは事実ですが、多汗症は特にそのような緊張・興奮要因がない場合でも異常発汗してしまう、という病気です。
しかし医師によっては、「汗が出たら嫌だという精神的な気持ちが、余計に汗を増加させている」と解釈している医師もおり、「汗をかいても気にしないことが一番」、というような内容の話をされ、適切な治療を行わない、または心理療法を勧めるケースがあります。(実体験として、筆者は上記のような話を実際医師からされたことがあります)

また日本皮膚科学会の原発性局所多汗症診療ガイドラインにおいても、心理療法単独のみで多汗症の症状が緩和することはあまり期待できないといった論文が発表されていることから、心理療法単独での治療の推奨度は低くなっています。

保険診療に適用できる外用薬がない

局所性多汗症は、保険診療で認められている治療の中で、適切な外用薬がありません。つまり、医師に処方箋を出してもらい、調剤薬局で受け取ることができる塗り薬などが無いということです。

局所性多汗症によく効く薬の一つに「塩化アルミニウム液」という外用薬があります。
しかし、この「塩化アルミニウム液」は保険診療に適用できない薬のため、全国どこの皮膚科・薬局でも取り扱いがあるわけではありません。
「塩化アルミニウム液」がある病院・薬局は、すなわち塩化アルミニウム液の治療が受けられる病院の周辺に限られているということになります。
このため、街中の皮膚科で受診をしても、処方する薬がないため、結果として適切な治療を受けられない可能性があります。

多汗症の治療設備が整っていない

局所性多汗症の代表的な治療の一つに、イオントフォレーシス療法というものがあります。この治療法は、主に手足の多汗症で悩む患者向けとなり、水道水に手足を浸して電流を流すことにより改善をはかるものであるため、専用の医療機器が必要となります。
したがって、専門病院でない限り、その治療設備を持っている病院である可能性は低いと言わざるを得ないのです。

これらの理由はあくまでも個人的な経験を元に記載させていただいております。一般的な皮膚科であっても適切な診療を受けられる可能性ももちろんあります。しかし、もし一般的な皮膚科と多汗症診療のできる病院を選べるのであれば、後者の専門病院を選ぶべきであると捉えていただけると幸いです。

多汗症治療専門病院の探し方

局所性多汗症に悩んでいる方は、必ず「多汗症」や「汗の疾患」に関する専門診療科目のある皮膚科への受診をオススメします。

簡単な病院の探し方でいうと、例えば「多汗症」「手汗」「足汗」「ワキ汗」といった検索ワードで検索をした際に、インターネット上に表示される病院などが好ましいでしょう。

局所性多汗症の専門病院として、日々多くの患者さんを診察されている病院なので、まず治療が受けられないということはないかと思います。
あなたに合った治療方法が見つかるかもしれませんし、完治することが出来なくても多汗症と上手に付き合って行くアドバイスをもらえる可能性もあります。

また、インターネットで検索して近くに多汗症の専門診療科目がある病院が見つからない場合は、多汗症の受診が可能かどうか、予め電話で問い合わせをしてから皮膚科に行くようにしましょう。その際、少なくとも、多汗症の治療で第一選択肢として推奨されている塩化アルミニウム液の処方を行っているかどうかは、必ず確認を取るようにしましょう。

手汗・足汗に悩んでいる筆者自身も、これまでに複数の病院を受診してきました。
あいにく完治することはなかったのですが、一時的に症状が緩和したり、また手術についての見解やアドバイス等を色々と先生に伺うことが出来たので、ネットで検索して出てきた答え以外の「生のアドバイス」をいただけて、とても参考になりました。

まだ一度も専門病院を受診されていない場合は、一度受診してみることをオススメいたします。

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